AIへの指示書を72%削ったら、5つのファイルでルールが食い違っていた
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私は副業の運用に Claude Code を使っていて、AIに毎回読ませる指示書(プロジェクトの説明やルールを書いたファイル群)を少しずつ書きためてきた。2026年7月25日、それを整理して、常時読み込ませる量を 18.3KB から 5.2KB に減らした。約72%減。
数字だけ見ると成果っぽいが、実際にやったのは掃除で、掃除の途中で見つけたのは自分の書いたルールの矛盾だった。その記録を残しておく。
きっかけ
Anthropic が公開した、Claude 5 世代モデル向けのコンテキスト設計の記事を読んだことだった。要点は「常時読み込ませる指示は、リポジトリの説明と非自明な落とし穴だけに絞り、残りは必要なときに読み込む形へ逃がす」というもの。
手元の指示書を見返すと、明らかにその逆をやっていた。思いついたルールをその都度どこかのファイルに書き足す運用を続けていて、合計がどれくらいあるかも把握していなかった。
最初に考えていたこと
書きためた指示は全部必要だと思っていた。少なくとも「書いてあって困ることはない」と思っていた。だから削る発想自体がなく、整理を始めた動機も「量を把握して、不要なものがあれば削る」くらいの軽いものだった。
実際にやったこと
常時読み込まれるファイルを全部並べて、1つずつ「今も必要か」を確認した。
いちばん大きかったのは、汎用の「振る舞い規範」を書いた 13.3KB のファイル1本の読み込みをやめたことだった。これは以前の世代のAIモデル向けに書いた矯正指示の集まりで、今のモデルでは最初から備わっている挙動と重複していた。書いた当時は必要だった。今は要らない。旧版はバックアップに移して、読み込み対象から外した。
指示書の本体そのものは 5.0KB から 5.2KB へ、わずかに増えている。同じ散らかり方を繰り返さないための注意書きを足したためで、削減効果のほとんどは別ファイルの切り離しによるものだった。
起きたこと
整理の途中で、自分で書いたルールが5つのファイルで食い違っているのが見つかった。
- 作業時間の上限が、あるファイルでは「1日15分以内」、別のファイルでは「1日60分以内」になっていた。同じ運用の話なのに、どれが本当か自分でも分からなくなっていた
- 運用のフェーズ名と開始日が5箇所に直書きされていて、フェーズが変わるたびに5箇所を直さないと矛盾が生まれる状態だった
原因を調べる
原因は単純で、ルールの置き場所を決めずに「思いついたときに、思いついたファイルへ書き足す」運用を続けていたことだった。書き足した時点ではどれも正しい。ただ、あとから数字を変えたとき、全部の場所を直せた保証がどこにもない。
分かったこと
事実として分かったのは2つ。
- 常時読み込ませていた 18.3KB のうち、7割超はもう不要だった
- 指示を足し続けた結果、ルールの矛盾が5ファイル分たまっていた
解釈としては、指示書は足すほど伝わるわけではない、ということだと思っている。矛盾した指示を読まされるAIがどちらに従うかは運次第で、それは指示が「効かない」のと同じことになる。
なお、削った効果(AIの応答が良くなったか)は測っていないので、まだ何も言えない。しばらく運用して、削って困ったものが出てきたら、それも記事にする。
次からどうするか
- 数字・日付・フェーズ名のような変わる情報は1箇所にまとめ、他のファイルはそこを参照するだけにした(単一情報源の原則)
- 指示書に足す前に「これはずっと必要か、今だけ必要か」を確認する注意書きを、指示書自体に残した
削った代わりに、絶対に守りたいルールは指示書ではなくコードのチェックに移している。その話は別の記事に書いた。整えた指示書で実際にAIへ実装を任せた記録はこちら。
同じことをする人へのポイント
- 指示書の総量をまず測る。私の場合、把握していなかった間に 18.3KB まで育っていた
- 削る候補の筆頭は「昔のAIの欠点を矯正するために書いた指示」。モデルが変われば重複や有害になっている可能性がある
- 数字や日付が複数ファイルに書かれていたら、それは全部、将来の矛盾の予備軍と考えていい
- 削減率のような測れる数字と、「精度が上がった」のような測っていない効果を分けて記録する。測っていないものは書かない
この記事は、運営者自身の実践記録に基づいています。